EPISODE-6


〜二人目の宣士・後編〜

二人目の宣士アルカブルーがついにそのベールを脱ぐ!

タカユキとケイスケは顔を見合わせ、悲鳴が聴こえた商店街めがけて走った。
商店街では、ウダデゴドンとその一味が、子供たちのワタあめを奪ったり、金魚すくいの網に穴をあけるといった暴挙を働いていた。
「やはり現れたか、ズグダ連一味め!」 タカユキがつぶやいたその時、ウダデゴドンは広報車を乗っ取り、語りだした。
「ぶらっはっはっは!お祭り好きな南陽市民どもよ、よく聴くがいい!俺様の名はウダデゴドン。ズグダ連合軍の幹部だ。今からお前らに人工寄生虫“ジコ”をプレゼントしてくれるから、ありがたく思え!このジコ虫に取りつかれると、我々のしもべとして一生暮らすことができるのだ!これこそ『南陽市民ズグダレ化計画』!さぁ、愚かな市民どもよ、ジコ虫を受け取るがいい!」
「な、南陽市民ズグダレ化計画だと?そんなふざけた計画を実行させる訳にはいかない!ケイスケ君、さっそく出番がきたようだよ!」
タカユキはCSを口元に近づけ、おもむろに語りだした。
「嶋貫司令官、サレルー!宮内にウダデゴドンが出てきました!ついでに、、二人目の宣士も現れましたよ!今すぐ新しいCSを持って、宮内まで来とごえっす!」 そして、CSに手をかけ、叫んだ。
「変身!おしょうーしなっし!」
タカユキはアルカレッドに姿を変えた!
「やべっ!超かっけー!!」 ケイスケは声を裏返らせながら叫んだ。
「お前の相手はこっちだ!ウダデゴドン!金魚すくいの網から手を離せ!」
「ぬぅ、またしてもお前か、アルカディオン!だが今回は前回の倍以上のオッチャグヤロメラを連れてきた。果たしてお前ひとりで相手ができるかな?かかれ!オッチャグヤロメラ!」
アルカレッドはオッチャグヤロメラを次々となぎ倒していくが、オッチャグヤロメラはしつこく起き上がってくる。数的不利は目に見えていた。
「くそ、相変わらずうだで奴らだ!それに数が多い!」 アルカレッドがこぼしたその横で、オッチャグヤロメラの一人が倒れた。
「タカユキ君、いや、アルカレッド、俺も微力ながら手伝うぜ!」 ケイスケだった。
「こんな体型してっけど、実は大学時代にテコンドーを習っててね、こういうなは少し自信があんなよ!」
ケイスケはそうつぶやくと、次々と足技を繰り出す。
「す、すげぇ…、まるでサモ・ハン・キンポーみたいだ!よし、俺も負けでらんにぇ!ブジョホ・ナ・ソード!」 二人の活躍で、オッチャグヤロメラは退散していく。
「ぐぬぅ~、またしても妙な奴ができやがったな…。仕方ない、俺様が相手だ!」
「出たな、ウダデゴドン。ケイスケ君、こいつは生身の人間ではちょっと危険だ。ここは俺に任せ…」
レッドが後ろ向いたその時、ウダデゴドンの一撃がさく裂した!
「ぐはぁっ!!!」 その場に膝をつくレッド。 「俺様相手によそ見とは、いい度胸だ。もう一発食らいやがれ!」 一撃、二撃とウダデゴドンは攻撃を加える。
「れ、レッド!しっかりするんだ!」

ケイスケが呼びかけたその時、一匹の猫がケイスケに近寄ってきた。サレルーだ。
「君が新しい宣士だね。詳しいことは後で説明する。さあ、これをつけて『おしょうしなっし』と叫ぶんだ。」
サレルーの首輪についていたCSの青いパワーストーンが強く輝く。
「猫がしゃべった??そして、これはタカユキがつけていたものと同じ。…そういうことか。わかりました。俺も共に闘います!」
ケイスケはCSを腕に装着すると、タカユキの見よう見まねで叫んだ。
「変身、おしょうしなっし!」
ケイスケの体は青白い光につつまれ、次の瞬間、青の宣士がそこに立っていた。
「俺は、俺の名は、アルカブルー!南陽の青い大空を愛する青の宣士だ!」
「ふん、赤の次は青か?単純なやつらだ。何人かかってこようが俺様の敵ではないわ!うらぁっ」 ウダデゴドンが剣を振り下ろすが、目の前にブルーの姿はない。
「どこに振り下ろしている?こっちだぜ!これでもくらえ!」 右、左、回し蹴り、ブルーの足技が冴えわたる!
「ぐあっ!おのれ、ぽっちゃりな体型のくせにすばしっこい奴だ!」 悪態をつくウダデゴドン。だがブルーは反撃の隙を与えず、攻撃を繰り出す。 すると倒れていたレッドも立ち上がる!
「ブルー、さすがだぜ!よし、俺もブジョホナソードで!」 まるで打ち合わせたかのように、ブルーとレッドのコンビネーションがさく裂する!
「く、2対1はさすがに分が悪いか、仕方ない、今日のところは引き上げてやる!次回はもっと強力な部下が必要か…覚えているがいい!」 すでに退散したオッチャグヤロメラを追うように、ウダデゴドンも引き上げていった。

安堵の息をつく二人。
「ケイスケくん。いや、アルカブルー。俺ど一緒に戦ってけっぺっす?」
「ああ。ぜひ協力させてもらうよ。アルカディオンやさっきの奴らについて、詳しく教えどごえっす!」
その時、二人の後ろから声が聞こえた。
「これで二人だな。」 サレルーと嶋貫司令官だ。
「早速、えくぼで作戦会議だよ。さぁ行こう、アルカレッド、アルカブルー!」
「はい!」
固い握手を交わす二人のヒーローがそこにたっていた。

ついに二人になったアルカディオン。しかしズグダ連の「南陽市民ズグダレ化計画」が明らかとなった今、二人に休む間はない! 南陽市の平和のため、頑張れ、アルカディオン!