EPISODE-5


〜二人目の宣士・前編〜

新たな仲間を探すタカユキの前についに二人目の宣士が現れる!

吉野地区にウダデゴドンが現れてから一週間。
ズグダ連の襲撃を目の当たりにしたNESSでは緊急防御態勢の確立に追われていた。 一方、「宇宙魔人」出現の噂は市内にも広まりを見せたが、被害が最小限に抑えられたこと、その後は姿を見せないこともあり、市民の間では悪質ないたずらと片づけられていた。
時期は宮内熊野大社の例大祭を迎えようとしていた。

「今年も早くて熊野のお祭りですね~。」 ここは市内の小学校職員室。
小学校教諭である宮内ケイスケは、同僚の清水教諭と翌日に迫った熊野の夏祭り談義にふけっていた。
「俺だが子供ん時は、この夜祭りさ出がげんのがすごい楽しみでしたよねぇ。」
「今の子供だも夜祭りは楽しみだべ~。うぢの息子だも夜店で買い物すんなば、楽しみさしったっそ。」 清水教諭が答える。
「清水先生んどごは小学3年生と年長さんだっけがっす?夜祭りなおもしぇ盛りだもんねぇ。俺は今年はどうすっがなぁ。学校の子供だの様子見さだげ行ってみっかなぁ」 ケイスケは少し悩みながら答えた。
「宮内先生、まだ若いんだもん、彼女とか友達とか誘って行ったらいいべした。」
「今、彼女いねしなぁ。。友達もなかなか時間あわねくてなぁ。ま、たこやきでも買いにいってみますわ。先週の吉野の祭りは結局ゆっくり楽しめなかったし・・・」
「あ~、例のイタズラだべ?宮内先生が水かけてやったっていう。誰の仕業だったんだべね?」
一週間前、ウダデゴンとの戦いでレッドを助けたのは、宮内ケイスケだった。
「いや、水かけたのは俺じゃないですけど。あれ、本当にイタズラだったんかなぁ・・・」

ところ変わってカフェEKUBO。
「おやっさん、明日は熊野の夏祭りっすよ~!女の子の浴衣姿って、すげーテンションあがりますよね!楽しみだなぁ~。」
「あれ、何?タカユキ君、浴衣の話なんかして、いつの間にか彼女でもできたの?」
「やめてくださいよ~、彼女だなんて~。いやねっす、昨日も適合者リサーチのために、合コ、いや、若者会談会ば開いだんすよ。そしたら、『タカユキさんの眉毛が素敵っ』てコがいましてね、一緒に夏祭りさ行ぐことにしたんす!たこ焼き買って、金魚すくいして、ウフ、ウフフフフゥ。」 不気味ににやけるタカユキ。
「タコヤキ君、ちがった、タカユキ君、楽しい妄想にふけっている中申し訳ないが、夏祭りにまたズグダ連が表れるかもしれない。サレルーによると、この間の宇宙摩人はウダデゴドンというらしい。いつ何時現れるか予想がつかないから、一応CSだけは身に着けていっておくれよ。」
浮かれ気味のタカユキにクギを刺す嶋貫司令官。
「大丈夫、任してください!任務は怠りません!むしろ変身してウダデなんちゃらをやっつけて、彼女さいいとこ見せちゃったりして。いやいや、彼女だなんて!やめてくださいよ~!んじゃ、俺、明日の準備あるんで、この辺でおいとましまっす。」
「うん、色々気を付けてね。。。ほんとに。」 嶋貫司令官は、少し心配そうな表情でタカユキを送り出した。

そして迎えた例大祭当日。宮内の門前通りや新町商店街は歩行者天国となり、大勢の市民と観光客でにぎわっていた。
タカユキは、待ち合わせ場所である大鳥居に下でソワソワしていた。
「やべ、早ぐ来すぎたかな?まだ30分もある。でも彼女ば待だせっと印象悪いって、smar〇さ書いったったからなぁ。少し腹減ったし、タコヤキでも食べで待ってるか。」 タカユキは近くのたこ焼きに向かった。
「おいちゃん、たこ焼き一つけどごえっす!マヨネーズ多めにしてけろな!」 タカユキが注文した直後、一人の若者も注文した。
「おいちゃん、こっちにもたこ焼き一つ。俺もマヨネーズ多めでお願いします。」
ケイスケだった。

「あれ???」二人は 互いに目を合わせる。
「もしかして、先週吉野の夏祭りで、バケツに水を汲んできていただきませんでした??」 タカユキが尋ねると、ケイスケも即座に答えた。
「もしかして、あの時、アルカディアンに変身した方ですか!?」
「惜しい!アルカディオン!いや、あの時は、ありがとうございました!おかげで助かりましたよ~!すげー、偶然だ!」
「実は私も一度お会いしたいと思っていたんですよ。子供の頃からヒーローが大好きで特撮ものは必ずチェックしてるんですよ。でもあの時は驚きました。まさか、本当にあんなヒーローがいたとは。宮内にお住まいなんですか?」
「いえ、赤湯っす。今度一緒に飲むべっす~!・・・んんん?今なんておっしゃいました?ヒーローが好き??まさかっ!」
タカユキは自分のCSに目を移した。CSは淡い光を放っている!
「CSが共鳴している・・・!この反応は間違いない!えーっと、名前は?」
「あ、ケイスケ。宮内ケイスケっていいます。」
「ケイスケ君、明日にでも赤湯のカフェEKUBOに来てくれませんか?君にもアルカディオンになってほしいんです!あ、俺の名前は赤湯タカユキっていいます!」
「え?え?俺がアルカディオンに?そんな誰でも簡単になれるもんなんですか?」
「いや、南陽市を愛する20代の若者だけっす。でもCSはケイスケ君に反応した。ケイスケ君はアルカディオンの適合者なんだ!ウヒョー、テンションあがる~!」
「俺がヒーロー、憧れのスーパーヒーローに・・・!」 その時、新町商店街の方から悲鳴が響いた!