EPISODE-2


~アルカディオン誕生!~

CS適合者が現れ、アルカディオンが遂に誕生する!


サレルーとNESSが適合者の捜査を始めてから約一ヶ月。数人の若者のリストアップは完了し、偶然を装った働きかけをしたものの、CSの反応はいずれもが乏しいものだった。季節は梅雨に入ろうとしていた。

サレルーはこの日も猫の姿で赤湯温泉街を歩き、CS適合者を訪ね歩いていた。そこに突然のゲリラ豪雨が猫の姿で非力なサレルーを襲う。その時だった。

「こげなどさいだら、ずぶ濡れになっこで~!」一人の青年がサレルーを抱えあげた。青年はそのまま近くのカフェ「EKUBO」へと向かった。彼の名は赤湯タカユキ。EKUBOに入るや否や、サレルーの首輪につけていたCSが、激しく反応した。

「彼が適合者だ。このまちを救う青年だ。」確信に満ちた顔で嶋貫司令官に同意を求めるサレルー。

「はい、どうやらそのようですね。まさかタカユキ君だとは。…私も驚いています!」常連客であったタカユキが適合者となり、驚きを隠せない嶋貫司令官。「君にこのまちを、この世界を救ってもらいたい」二人は自らの正体を明かす。そして事情を話し、半ば強引にCSをつけさせた。

突然の出来事に半信半疑のタカユキだったが、同年代の友人達が地元から離れてしまったこと、市内の中学校が統合したこと、近所にも高齢者世帯が増えていること…。若者離れと過疎化の現実は、タカユキ自身も常に気にかけていることであった。

「まちを救うだなんて、そげなごど、俺さ出来っぺか…」不安に思うタカユキだったが、“この町に元気を与えたい”という故郷への思いは高まっていく。

そしてタカユキは教えられたように変身発動音声『チェンジャーシステム起動!』と叫んだ。すると、CSに装着されているパワーストーンが光りだす!そして『変身!おしょうしな~っし!!』と叫んでポーズをとった瞬間、CSについていた市章が勢いよく回りだし眩い光が放出された。

瞬間、タカユキの体は光に包まれ、赤いタイトスーツと「A」の文字があしらわれたマスクを身に付けた姿にかわったのである。

そして、サレルーは告げるのであった「君こそアルカディアの宣士だ。君の名はアルカレッド。「南陽宣隊アルカディオン」のリーダーだ。CSは残り4つある。適合する青年を集め5人で力を合わせてこのまちを守るのだ!南陽市をより一層魅力あるまちにし、かつての活気を取り戻そう。活気のあるまちは、ズグダ連に絶対に侵略されない。」

ここに『南陽宣隊アルカディオン』が誕生。NESSの指揮のもと活動を開始したのであった。