EPISODE-10


〜タワイネン現る!〜

3人揃ったアルカディオンの前に新たな敵が立ちはだかる!

美しい黄金色の稲穂が広がる沖郷地区。
静かな田園風景の中に、一か所、妙な影が並んでいた。ウダデゴドン一味だ。
誰もいない田んぼに向かって、ウダデゴドンが叫ぶ。
「ぶらっはっは!見ろ、タワイネンよ。これはこの国でもっとも愛されている米という作物だ。この作物の流通を支配することができれば、このまちは我らのものになる!米の中にジコ虫の卵を混ぜてしまうのよ!」
タワイネンと呼ばれた人物(?)も、間の抜けた声で答える。
「さすがぁ、ウダデゴドン様!そうなればぁ、南陽市民ズグダレ化計画は成功したも同然ですねぇ」
「タワイネン。このチャンスをお前にやろう。もし成功できれば、お前の幹部昇格を人事院に掛け合ってやろうではないか。できるな?」
「ははぁ!ありがたき幸せ。このタワイネンにお任せくださいぃ!早速、ジコ虫を散布して、米と卵を混ぜ混ぜしてしまいますぅ!」
タワイネンがジコ虫の袋を開けようとしたその時、タカユキの声が響いた。

「まてまてーい!」
アルカレッド、ブルー、ピンクに変身した三人が、かっこいいポーズを決めていた。
「まぁだ、こ馬鹿くせごど企んでだな!」まずはレッド。「害虫はヘクサ(カメムシ)だけで十分だっつーの! 」続けてブルー。
「美味しいお米に、気持ちの悪い卵を混ぜるなんて、信じらんない!」そしてピンク。三人が立て続けにウダデゴドン一味をまくし立てる。
「ぬぅ!出たな、アルカディオン!しかも、一匹ピンクいのが増えてやがる!」
「ウダデゴドン様ぁ、こいつらが、例のアルカディオンですかぁ?」
「そうだ、こいつらのせいで、なかなか作戦が進まない。、、、よし、タワイネン!お前の力を見せてもらおうじゃないか。この場の指揮はお前に任せたぞ!」

「かしこまりぃましたぁ!!よぉし、かかれ、オッチャグヤロメラ!」
「ちょっとなんなの!この気持ち悪い動きするやつらは~」ピンクが後ずさりをする。
「ピンク、心配すんな。こいづらは見かけ以上に弱いから。ま、今回は、とりあえず下がって見でな」レッドが敵を倒しながら話すと、ブルーも続ける。
「問題は、ウダデゴドンと、あのタワイネンとかいうやつだ。前に話していた強力な部下ってのはやつのことか?しかし、今回もザコの数が多いな!」
40人あまりのオッチャグヤロメラに、手を焼くアルカディオンを見て、タワイネンがつぶやく。
「うひゃ、うひゃっ、ひゃぁ!アルカディオンとはいえ、所詮、3人。この数のオッチャグヤロメラはそう簡単には倒せまぁい。そぉれ、これでもくらえ!「タワイネンシャワー!」
タワイネンの両手からトロッとした液体がニュルッと飛び出し、ベトベトッとレッドとブルーに降りかかる!
「ぐぁ!なんだこの液体は!体がべとつく!というか、く、臭い!納豆くさい!」ブルーがよろけると、
「な、納豆だけじゃねぇ。牛乳だ!腐った牛乳のにおいもする!これはきつい。」レッドも思わず膝をついた。
「どおだぁ?いい臭いだろう?俺はどんなに汗をかいてもグラブだけは洗わないんだよぉ。その液体には、そうやってできた色~んな汁が混ざっております。うひゃっひゃぁ~。それ、オッチャグヤロメラ、やっつけてしまえ~」

「ち、力がでねぇ」
オッチャグヤロメラがレッドとブルーを囲んで、なにやらワサワサするが、レッドとブルーは手出しができない。
「ちょっと待ちなさいよ!私を忘れないでよね。はい、レッド、ブルー、回復スプレーよ!」
ピンクはオッチャグヤロメラをかきわけてレッドとブルーに近寄ると、自分の鼻のあたりを押さえながら、二人に回復スプレーをかけた。
「に、臭いがとれていく!ピンク、おしょうしな!」レッドが礼を述べた。
「消臭効果を高めた回復スプレーよ★吉野産の炭が配合されているから効き目バッチリでしょ!?」
「気分が悪いのは治らないけど、体の自由は戻ったぜ!」ブルーも続く。
「おのれぇ~、何だ、その都合のいいアイテムは!卑怯だぞ!」
タワイネンがジタバタと悔しがる。
「おめだに卑怯と言われる筋合いはねぇ!ちょうどいい機会だから、スーパータフの威力を見せてやる。ブルーいくぞ!」
「よし来た!」

レッドとブルーは、タワイネン目がけて走り出すと、同じタイミングでジャンプした!
「スーパータフ・ダブル・キィーック!」
「うひゃ~い!!」キックをもろにくらったタワイネンが、変な声を上げながら吹き飛ぶ。
「おお~、すげぇ威力!さすがスーパータフ!」レッドが感心する。
「ウダデゴドン、今度はお前の番だぜ!」ブルーが すかさずウダデゴドンに向き直った。
「ぐぬぅ、アルカディオンめ、いつの間にそんなカッコいいブーツを手にいれたんだ、、おまけにタワイネンはまったく役にたたんし!くそ、今日のところはひとまず退散だ。オッチャグヤロメラ、タワイネンを運んでこい。そいつはメンドク星へ強制送還だ!それから、あのブーツの製造元も調べろ!」一味は逃げるように去って行った。

「お疲れ様!やったね!」ピンクが駆け寄り、二人をねぎらう。
「やぁ、今回はピンクのおかげだず!」レッドがピンクをほめる。
「んだんだ。あのスプレーがないと、何もできなかったよ。今でも気持ちが悪いし。」ブルーも続ける。
「そう?役に立ててよかったぁ!」

などと、3人が和気あいあいと話しているところへ、若い男性の声が響いた。